第2回小国町雪山登山講習会

日時 平成21年2月1日(日)
場所 小国町体育館 県社山
集合 小国町体育館前 8時40分
講師 小国山岳会スタッフ
日程 08時40分 集合、開会式 、準備体操
    09時〜   午前の部講習(各班ごと)
    10時45分 休憩、総合センターへ移動 
    11時〜   武田さん(山形市:参加者の方から)のナイフの解り易い研磨方法について・井上さんのカンジキの話
    12時     昼食
    13時     午後の部講習会開始(県社山方面、各班ごと)
    16時10分  閉会式、解散
講習内容 初歩的なロープワーク、救助法等

開会式

開会式
KEB・obake隊長・左は黒崎山の会のお嬢様方?



このあと班別に分かれて初歩的なロープの結びについて講習。

講師はAXLさん後はMHさん、右、Konchang



昼食前に記念撮影!

タイマーセットのHZUさん、NEAさん、WZLさん



昼飯前に座学を少々

武田さん(山形市)のナイフの研磨のお話し
割り箸を利用すると先端の曲部も研ぎやすい
HZUさんはカンジキについて・ひきだしが大きいなぁ



午後からは班別に外で午前のロープワークの応用

支点について説明するAXLさん
試しに細目の柴を束ねて使い流動分散
流動分散+ごぼう(1/1)・・・上がらない!


感想
ボク達、岩登りを楽しむ者にとっては基本的な数種類のロープの結び方を忘れることはありませんが
普段、尾根道、登山道を登る方はあまりロープワークに馴染みがありません・・・・・ある意味当然だと思います。

今回の様な講習会を開催して意欲がある方が参加してその時は真剣に学んでも、残念ながら結び等は忘れてしまいます。それは使わないモノは忘れるという人間の性質で仕方ないことです。
例えば、新潟県山岳協会主催の「岩登り講習会」においても「結び」は一応やりますが、完全にエイトノット・クローブヒッチを全員
間違いなく・・・・となると半日は完全にかかるでしょう。
そのため、実際に体験的に登る方は傾斜の緩いスラブなのでハーネスへの結束は安環付のビナを使い簡略した形でおこない
懸垂下降と簡単でも登ることに主眼を於いているようです・・・・・正直なところ岩登りの講習会に参加するなら、エイトノットと
クローブヒッチの2種は最低限覚えてから来て頂戴・・・という気もします。それは個々の山岳会の問題だと思うなぁ・・・
でも、1年に1回しか岩に触らない方々は毎年忘れています・・・・・ほぼ確実に・・・・
集会・例会で月に一度くらいは復習してもバチは当らんと思うが・・・・ボクの所属会も同じですね。
岩登りの数名の変わり者と沢屋さん以外はロープ無縁・・・・たまに講習しても忘れているのが普通です(笑
良い悪いは別にして、それが普通なんですねぇ・・・・
と脱線しましたな・・・

必要性を感じていないモノは忘れてしまいます・・・・これはボク達も同様でレスキューの引上げの1/2システム・1/3システム等は年に1回か2回復習しますが、ギリギリ忘れない程度・・・というかヤリながら思い出すというレベルです。
従ってモシかして・・・という現場において、限られた装備品でできるか?
かなり疑問です。

前日、消防の方の1/3システムを見ていたが、職業として行うレスキューとヤマ屋が現場で行う限られた装備でおこなうレスキューとでは、基本的な思想の違いがあると思う。
ボク達ヤマ屋は職業レスキューのいい所どりをしていかに、簡略かつ軽量化する知恵が求められると思う。

でも、こういう機会に恵まれると
忘れたコトを思い出す・・・或いはスムースに出来るようになる。そういう良い機会となります。

ロープの結びを忘れた方も、必要性を感じながら繰り返しやり続ける以外に習得する方法はありません。
問題は、その必要性というモチベーションをどの様に維持するか?それにつきると思います。
そのためには、単に結び方を覚えるのではなく、どういう場合にこの結びが必要かというシミュレーションをしながら結びを覚えることが秘訣と思います。

一番大切なコトですが、誤った方法でのロープの使用はとても危険です。
それは大丈夫と思い全体重を掛けたらスッポ抜けた等の事故が生じる可能性があるためです。
逆に、ロープワークに慣れた岩屋もヒューマンエラーをやらかします。これはケアレスミスと呼ばれるものが少なくないようです。
仲間と喋りながらハーネスにエイトノットで結んだはずが、結び忘れていて墜落等と信じられないミスが生じた例もあるそうです。
ロープに命を助けられることもあれば、誤った使用方法で重大事故を起こす例として有名です。
ロープに親しみ慣れることが最初の一歩と思います。
そしてロープは一人では行けない場所への可能性を与えてくれます。
そして、
「支点はこの木の太さで大丈夫?」
「この木で、この結びで大丈夫?」
「このハーケンは大丈夫?」それなら「打ち足す?」
全て人命に関わりかねない重要な問題です。
従って、支点工作等は経験でしか蓄積できない部分もあり本番以外で様々なシチュエーションで試すコトが大切と思います。
これは、見ているだけでは身につくはずもなく安全を確保しつつ数多く体験するしかありません。
沢登などは、岩登りよりアテにならない支点も多くその典型と思います。そういう意味で奥が深く楽しみもありますが
半面厳しさも内在しています。

この記録を書いている今日のニュースが気になる。

救助中に200m滑落、遭難男性死亡…北海道・積丹岳
2月2日11時36分配信 読売新聞

読売新聞
北海道積丹町(しゃこたんちょう)の積丹岳(1255メートル)でスノーボード中に遭難した札幌市豊平区の会社員藤原隆一
さん(38)を1日正午頃、道警の山岳救助隊が発見。藤原さんの意識がもうろうとしていたため、5人の隊員が交代で抱き
かかえて下山していたところ、藤原さんと3人の隊員が雪庇(せっぴ)を踏み抜き、約200メートル下に滑落した。
3人の隊員は自力ではい上がったが、藤原さんが自力で歩けなかったため、残りの隊員が藤原さんを救助用のソリに乗せて
急斜面を約50メートル引き上げた。ところが、隊員交代のため、ソリを近くの樹木に縛って固定したところ、樹木が折れてソリ
が滑り落ち、藤原さんは再び行方不明となった。
当時は降雪で視界が悪く、救助隊は捜索を中断。2日朝から捜索を再開し、午前7時40分、標高約1000メートル付近の
斜面でソリに乗った状態の藤原さんを発見、札幌市内の病院に搬送したが、死亡が確認された。
道警の発表では、藤原さんは仲間2人と先月31日に積丹岳に入り、頂上付近からスノーボードをしていたがはぐれたため
無線機で頂上付近にビバークすると連絡していた。救助隊は1日朝から捜索し、同日正午頃、頂上付近の尾根筋に倒れて
いる藤原さんを発見した。
救助中に滑落事故が起きたことについて道警は「限られた人数の中で、やむを得ない判断だった」としている。

最終更新:2月2日11時36分
・・・・・無断!転載

このように、非常に残念な結果となっています。
ロープには危険なところを安全に通過・確保する道具だけに裏返ると重大な事故を惹起する可能性をもっていることを
考える必要があります。



ボクもヒューマンエラーを起こさない様に集中力を保ち、経験を重ねクライミング、沢を楽しみたいと思います。

皆さんありがとうございました。
またの機会に楽しみましょうね。

企画・講師を努められた小国山岳会の方々ありがとうございました。
色々な意味で勉強になりました。


追伸(Special Thanks )
いっちゃん、山の会のお嬢様方ごちそうさまでした。
武田さん、ありがとうございました。
小国山岳会食担の皆様、昼食の汁とても美味しかったです。


とある夫婦(「めおと」と読む)のへなか(背中)




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